1. HOME
  2. お知らせ
  3. 脳は誰のもの?

NEWS

お知らせ

お知らせ

脳は誰のもの?

勿論、脳は身体の一部分ですが、どうもその辺りが、はっきりしなくなっているようです。無意識の内に脳は身体の外部にあって、自身の肉体をコントロールしている、そんな感覚に陥ることがしばしばあります。
高度なコンピューターは脳を補完するものとして開発されたものですが、今や外部のコンピューターが人間の脳を凌駕しようとしています。知識は勿論のこと、選択の判断や決定までもコンピューターに委ね、人間の脳はただフワフワと安楽の内に漂っている? そんな馬鹿なと、笑っている方がいらっしゃると思いますが、現代文明が目指すところは、そんな社会の実現だと思えてなりません。実感なき社会、実感なき人間関係を、すでに皆さんもどこかで感じていらっしゃると推察します。
生きがい、幸福感、充実感は、人の五感を通じてしか獲得できないのではないか? 云い替えれば、脳は肉体に付属する五感を通じて情報を得てきたのです。五感を使うと云うことは、肉体を直接的に使用する事だと理解しています。脳を自身の身体の中に取り戻す必要があります。脳が一人で勝手に走り出す、そんな世界に文学が生まれ、それが共感を得るとは到底思われないのですが・・・・。

不羈庵(九州文学編集委員)

最新記事