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お知らせ

ごあいさつ

季節は梅雨を迎える前にもう夏の気配です。

季節は梅雨を迎える前にもう夏の気配です。
しかし、初夏の爽やかな印象とは裏腹に、皆様はウクライナ侵攻のニュースに毎日心を痛め、さらにコロナ禍で外出にも不安を感じ、悶々とした日々を送られているかもしれません。
そこで、今日は健康法としての文学というものを考えてみたいと思います。
健康法といっても、心の健康法です。
私事ですが、年に何回か頭の中がモヤモヤして後頭部にゴムが詰まったような不快感を感ずることがあります。ある時、あまりにも堪えがたいので脳神経外科に受診してCTスキャンで脳内の血管を調べてもらったのですが、結果は異状なしでした。
医師によりますと、脳内の血管異常では普通はモヤモヤするというようなあいまいな愁訴はなく、激しい痛みが伴うそうです。血管以外の原因ではないでしょうか、などと、暗に心療内科の受診を勧められた感じでした。
このモヤモヤとした脳の不快感を解消する特効薬が、私にとっては文章を書くという行為なのです。文章をこね回していると脳が疲れて後頭部がチリチリ痛くなります。これが効くのです。
思うに、文章を書く、とくに文学的な文章を書くという行為には、数学の命題を解くときのような理論的に考えるという行為とは別に、感情を掘り起こして感動する、という脳の働きが必要で、そのために、論理的思考に用いるのとは別の脳の領域を働かせているような気がするのです。
そう言えば、九州文学の同人は年配の方も多いのですが、皆様お若いです。生き生きしていらっしゃいます。創作意欲も旺盛で、毎回多くの作品を寄せていただいています。
脳がお若いのだと思います。感情を言葉で表現するという働きは、身体の健康を保つためにスポーツが必要なのと同じように、心の健康を保つために必要なのだと思います。
そのために、皆様、文学を活用されませんか。
書くだけではありません。優れた文学作品を読むことも同じ効用があると思います。
文学をやっている、というと、部屋に閉じこもって暗いことを考えているようで、不健康なイメージがありますが、心の鬱々を解放している、心のスポーツをやっている、と考えると、見方が変わってくるのではないでしょうか。
九州文学は、七月一日の夏号発行に向けて最終的な校正作業を進めております。
季節は毎年巡ってきますが、歴史は後戻りのできない大きなうねりの中にあるようにも感じます。
このような時世だからこそ、皆様、文学を通じて心の健康を保ってみませんか。

九州文学編集長 木島丈雄

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