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お知らせ

お知らせ

葦平忌に参加しました

寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
前回お知らせしたとおり、1月21日に開催された葦平忌に参加しました。
葦平忌というのは、このHPの「九州文學の創刊から現在まで」にありますように、創刊当時の九州文學に参加していた火野葦平の慰霊祭です。
火野葦平は、昭和十四年、三十二歳で、九州の作家が大同団結した「九州文學」に参加しました。「糞尿譚」によって第六回芥川賞を受賞。「花と龍」「麦と兵隊」「土と兵隊」等を発表され、日本を代表する作家として活躍しました。
葦平忌においては、尺八、舞踏、筑前琵琶、五平太ばやし等が披露され、最後に「麦と兵隊」を全員で合唱し、火野葦平の地元、若松区の方々の火野葦平に対する深い敬愛を身近に感じることができました。
葦平の諸作品の世界はあまりに大きく、とても私などがその全貌を語ることなどできませんが、読み直すたびに、新たに学ぶべき事柄を見出します。
まずは、人間同士のあたたかな思いやり、でしょうか。さらには、市井の人々に寄り添った目線で、懸命に生きている人間に対する共感を感じることができます。
最近は多様性とか言って、これまで日本人が共通に持っていた価値観が軽んじられるような風潮がありますが、このような時代だからこそ、日本人が昔から培ってきた価値観というものが見直され、求められているのではないでしょうか。
そして、私は火野葦平の諸作品に、日本人が今忘れつつある日本人の良さみたいなものが豊かに息づいていると思うのです。
皆様、九州文学の大先輩である火野葦平について、もう一度読み返してみられたらいかがでしょうか。

九州文学編集長 木島丈雄

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