城戸さんの受賞のコメント
皆様いかがお過ごしでしょうか。
九州文学は総会も無事終わり、令和5年度が順調に動き始めました。
さて、このコーナーはもっぱら私が記事を書いておりましたが、今後は同人の声も紹介していきたい思います。
今回は、「工場にて」という作品で第53回九州芸術祭文学賞佳作に選ばれた城戸祐介さんです。受賞に対し皆様の祝意をいただいたことに対して一文を寄せられました。
城戸さん、おめでとうございました。今後のさらなるご活躍を期待します。
九州文学 編集長 木島丈雄
このたび恐縮ながら九州芸術祭文学賞佳作に選ばれました。
個人的に光栄に思う半面、共に歩いた内外の方々の励みになればという思いが強くあります。
そのために応募したと言っても誇張ではないかもしれません。
なぜならこれまで九州文学で勉強させてもらったことは数え切れず、また多くの方に背中を押していただいたからです。
入会して痛切に感じるのは、他人のありがたさという真理です。
我慢強く読んでくださる方、活字になるのを許してくださる方、力強い励ましをくださる方・・・。全て奇跡のように身に余る出来事でした。
そしてその裏でどれだけの人たちの無償の労苦があったでしょうか。
それは今でも続いています。
しかしそれを知ったことこそが真の収穫であり、また真の目的だったのだと気付きつつもあります。
言葉は、しょせん人間の不完全な脳が作るカケラでしょう。
プロもアマもそれは変わりません。
重要なのは、真の言葉、つまり決して言葉にはできない未知の真実の心へ、与えられた状況と手段によって少しでも近づくことなのだと、まさに言葉に属さない世界でもって皆さんに教えていただいたような気がします。
城戸祐介