趣味の効用① オートバイ
今回は、私自身の事を書いてみたいと思います。
現役を引退して自分の時間がいっぱいできるようになりました。
創作に打ち込めばいいのですが、アイディアが枯渇。パソコンに向かって文字をひねり出そうとしますが、出てくるのは内向きの悪あがきの言葉ばかり。悶々とあれこれ考えながらうちにいると、だんだん気が狂いそうになってきます。
そんな時、私がどうするかというと、バイクで外へ出かけるんです。
オートバイに跨り、エンジンに点火。発進。加速。
オートバイの加速は、多段式ロケットが燃え尽きた部分を切り落としてスピードを上げる感じに似ています。
目指す場所は、山か海、または大平原。車も人もいなくて、のんびり走れる場所。
身一つで空気を切り裂いていく爽快感。誰もいない大地を一人疾走する解放感。
オートバイを気の向くまま走らせて、普通に街で生活していたら見ることができないような景色を見ます。
オートバイに跨ると、五感のすべてを操縦に動員するので、余計なことをあれこれ考える余裕がありません。したがって精神衛生上とても良い。
そして、何も考えないでオートバイを駆っているとき、不思議と素晴らしいアイディアがひらめいたりするのです。
九州文学編集長 木島丈雄