脳の容量
プラスチックの網でがんじがらめになっている亀を捕獲した人が、四苦八苦してナイフで網を切りめでたく海に放してやる。亀がアザラシだったこともある。この種の動画が多いのは人間の所為で環境汚染が進んでいるからである。地球を汚したのはお前たちのくせに恩きせるなよ、と亀は思っているだろうか。それとも助けてくれてありがたやと感謝しているだろうか。人間がこんなに増えなかったら海はもっと美しく空気も澄んでいただろう。なぜ人間なんか繁殖したのだろう。熊の爪でちょいと引っ搔かれればあっさり肉がちぎれ暑すぎても寒すぎても死んでしまうこんなに弱い生き物が。
それは劇的に脳が大きくなったからだと化石は語る。脳がゴリラの500ccより大きくなったのは約200万年前で、ホモ・ハビリスの頃の600cc。約40万年前にホモ・ハイデルベルゲンシスとやらが1400ccを達成。三、四万年前に絶滅したネアンデルタール人の化石は大きい者で1600ccほどあり、むしろ小さいホモ・サピエンスの方が滅びなかった。現代人の脳の容量は平均1350cc程度だという。
このような脳の特盛りはなぜ起きたのか。その答え、実はまだ確定していない。いろんな学者さんのサイトをつまみ読みしてみた。二足歩行のお蔭、肉を加熱して食べるようになったから、狩猟の必要からなど諸説ある中、脳の容量の増加は生活集団の人数増加によるものという説を見つけた。言語の発達は脳の増量のあとらしい。
かくも成長した脳によってヒトひとりが交流できる人数は150人程度で、これは狩猟採集の民からIT世代に至るまで変わらないそうだ。バーチャルで何千人とやり取りしていても現実に付き合える人数は150人程度ということだろうか。私が交流している人を思い浮かべてみたら家族から疎遠な友人まで含めて60人くらい。脳の持ち腐れ? いいえ、創作のために余力を残しているのです。